みなさんご無沙汰しております。トラベルジャーナリストの橋賀秀紀です。

今回は2018年に起きたマイラー、ホテラー的10大ニュースを振り返ってみたいと思います。思いつきで順不同ながら10大ニュースを振り返り、その意味や意義を考察してみました。

マイルやホテルの会員制度は頻繁に変更があり、昨日まで存在していた裏技が、今日には全く使えなくなってしまうこともあります。自分は旅行やマイルを貯めることが得意だ、という方でも全ての情報をキャッチし、細部まで理解した上で実際に行動するのは中々簡単なことではないでしょう。

我こそはマイラー・ホテラーだという方は、今年日本や世界を震わせた10個の出来事のうち、いくつ理解していたかチェックするために、またそうでない方も、旅行という体験の裏側で、世界中の人たちを熱狂させるマイルやホテルの世界を見物する気持ちで、読んでいただければ幸いです。

2017年末〜2018年夏

マリオット・スターウッド プラチナチャレンジ祭り

8月にプログラムの合併を控えていたマリオット・スターウッドについて、上級会員であれば通常よりも少ない泊数でより高いステータスとなるプラチナチャレンジが一大ブームを迎えました。

例えばマリオットの場合、通常ならばプラチナ会員(当時)となるのに75泊が必要なところ、3か月に9泊するだけでその資格が与えられるというもの。特に宿泊費が安い琵琶湖マリオットホテルやモクシー大阪本町などが「巣窟」として話題となりました。

筆者もこの祭りに参加しましたが、さまざまな情報が錯綜し、なかなかスリルに富んでいました。プラチナチャレンジで上級会員となってもそのステータスが維持できる期間は限定されています。一時的にラウンジなども混み合うでしょうが、いずれ収束化するでしょう。

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3月

ソラチカルート廃止にともなうANAの陸マイラー騒動

マイレージ界の一大勢力ともいえる「陸(おか)マイラー」。マイルを貯める人の中でも”飛行機に乗らずに”クレジットカードやポイントサイトを駆使してマイルを貯める人のことを指します。そのなかで最も存在感があるのがANAマイレージクラブを貯める勢力です。その陸マイラーの鉄板ともいえるルートがソラチカルートでした。

ソラチカルートはポイントサイトを利用して貯めたポイントを、途中複数の中継サイトを経由してソラチカカードのポイントであるメトロポイントに交換する。そのポイントをANAのマイルに交換できるルートのことでした。しかし、中継サイトからメトロポイントへの移行が3月をもって終了したことに伴ってこの「ルート」が閉ざされてしまいました。

それに代わって注目されたのがLINEポイントからメトロポイント経由でANAマイルに交換するルートです。交換率はそれまでの90%から81%に落ちましたが、基本的な流れは変わっていないようです。これがふさがれたらまた別のルートが開拓されるのでしょう。

ダイナースプレミアムカードの神加算率3%が消える

デルタ航空

飛行機に乗らずマイルを貯めるのに有利な手段であった、ダイナースプレミアムカードを使う方法。年会費13万円(税抜き)と高額のため、利用者数は多くないものの、リボ払い設定にして繰り上げ返済をすることで100円につき3マイルという驚異的な加算率を誇っていました。

それが2018年3月、改悪となり、100円につき2マイルに。さらに12月には100円につき1.5マイルとつるべ落としのように加算率が下がってしまいました。また、アメックスとダイナースではそれぞれ、ANAへの年間移行マイル数が80,000マイルから40,000マイルに引き下げとなりました。

一方外資系でも、カードを保持するだけでゴールドメダリオン会員が維持できることで人気があったデルタアメックスゴールドカードも、2018年6月以降、2年目以降については前年に年間150万円以上決済しないとゴールドメダリオン会員が維持できないと改悪されました。

また、100円で2.4マイル加算されるジザイルカード→MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード→マイルというルートも2019年2月末をもって塞がれてしまいます。

6月

LINE Payカードの2%キャッシュバックが終わり、Kyashの2%引きが登場

一昔前はクレジットカードでマイルやポイントを貯めるのが常識でしたが、昨今はプリペイドカードにあらかじめクレジットカードにチャージ。プリペイドカードのキャッシュバックとクレジットカードのマイルやポイントの2重取りというのが常識となっています。

5月にLINE Payカードの2%キャッシュバックが終わり、ポイント系のブログではあちこちから悲鳴があがりましたが、それにとって代わるように6月に2%キャッシュバックを謳うKyashが登場しました。

Kyashは1回に最大5万円、月間最大12万円、そして100万円を利用した時点で、新規カードを改めて申請しなければならないとヘビーユーザーには不便な点もありますが、それでも国内の多くの買い物で常時2%オフとなるのは有り難い限りです。

筆者も国内での買い物のファーストチョイスとして利用しています。ちなみに年末に話題になったPayPayもKyashでの支払いも可能。

PayPayで支払い(0.5%キャッシュバック)←Kyashでチャージ(2%キャッシュバック)←自分がメインで使うクレジットカードでチャージと3重取りができる恐ろしい時代となっています。

アビオス(Avios)祭り

アビオスとはブリティッシュ・エアウェイズとイベリア航空のマイレージプログラムで用いられるマイルの単位(お互いに移行するには手続きが必要)のことです。日本人の多くにはそれほど馴染みのないこの名が一気に広まったのは6月のことでした。

6月21日から24日の間にイベリア航空の公式サイトで購入された航空券1フライトにつき、9,000アビオスが付加されるというもの。1人最大10フライトで90,000アビオスまで加算されるという条件でした。

通常であればこの手のキャンペーンは実際に搭乗しないとダメなのですが、イベリア航空が搭乗しなくても加算されると確約したものだから、英語圏を中心としたマイラー界は祭り状態となりました。

こうなるとどの区間が一番安いのかということが散々議論され、10区間で計約3万円の投資で90,000アビオスをゲットした人もいるようです。貯めたアビオスポイントはイベリア航空からブリティッシュ・エアウェイズに移行して利用するのが一般的。

筆者は渡航中で制約が多くこの祭りには参加できませんでしたが、英語圏の情報をいち早くつかみ判断することが重要だと再認識されました(日本語のブログでもこの話題にいち早く反応したところはいくつかありましたが)。

ちなみにイベリア航空のアビオスについては、スペイン版グルーポンでマイルを購入すると単価が安いというネタもありました。

7月

アラスカ航空はまだ使えるのか?

アラスカ航空

2016年12月に日本航空(JAL)と提携したことにより、2017年にはマイラー界の旋風となったアラスカ航空のマイレージプランですが、その後あまり話題にならなくなってしまいました。

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しかし、当初の予想とは異なり、JALのアジア内ビジネスクラス25,000マイルはいまだに有効で、マイルあたりの単価では相変わらず最も効率のよいマイレージプログラムであるといえるでしょう。

ただし、マイレージの提携航空会社の変更や加算率の変更は飛びマイラーに影響をあたえています。アエロメヒコ航空の提携離脱に続き、7月以降、それまでほとんどの有償航空券で100%加算となっていたラタム航空がいきなり25%ないし50%を主流に引き下げてしまいました。これにより、かつてここで紹介したソウル発の南米行きでマイルをたんまり貯めるスキームは崩壊してしまいました(いままでが美味しすぎたという見方もありますが)。

頼みの綱は、相変わらず有償航空券であれば原則100%加算を続けるカンタス航空です。筆者はソウル発カンタス航空の南米往復で2018年秋に2回南米を往復しましたが、これも10月には急激に高くなってしまいました。

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現在アラスカ航空のマイルを貯めるのに単価や安いのはロンドン発ニュージーランド往復など、日本在住者には使いづらいものが中心。日本発ではヨハネスブルグやサンチアゴまで往復が16〜17万円台といったところです。

それでも年間5万マイル飛んでMVPゴールド会員を維持すると、これらの1往復で5万マイル近く、すなわちJALのアジア内ビジネスクラス2往復分に近いマイルが貯まるのだからあいかわらず強力といえるでしょう。

8月

マリオット・スターウッド合併騒ぎ

コートヤード・バイ・マリオット 白馬 かねてからの予告どおり、マリオットとスターウッドのプログラムが統合しました。事前に懸念する声も少なくなかったのですが、実際にシステムを統合してみると宿泊履歴がすべて消去される悲劇や、自分が泊まった実績以上のステータスが与えられる喜劇など悲喜こもごも。

プラチナチャレンジ組は無事プラチナプレミアムとなったようですが…。グローバル企業としてこういうことをすると信頼性を損なってしまうという悪いお手本になってしまいました。

SPGアメックス保持者はラウンジアクセスと16時までのレイトチェックアウトが可能でしたが、統合後はマリオットホテルでのラウンジアクセスが不可となりました。また、レイトチェックアウトが午後2時までとなってしまいました。2019年1月からは名称も「SPG/マリオット リワード」となります。

11月

ANA上級会員のプレエコへの無料アップグレードが廃止に

ANAマイラーに衝撃が走ったのはこのニュースでしょう。これまでANAスーパーフライヤーズカード(SFC)会員など、ANAの上級会員はプレエコ設定便については空席がある限り、無料でアップグレードが認められていました。その制度が2019年9月以降廃止となることが11月に発表されました。

2019年10月から2020年4月までは特典航空券利用時以外は移行期間として無料アップグレードが可能ですが、2020年4月以降、アップグレードの際にはマイルかアップグレードポイントが必要となります。

この件にかぎらず、各航空会社では、単に上級会員を維持している乗客よりもお金やマイル、ポイントを消費してくれる乗客を優先する傾向にあります。世知辛い世の中ですが収益性を高めたい航空会社として当然の選択なのかもしれませんね。

12月

PayPayでH.I.Sの航空券・ツアーが20%引きに

ヤフーとソフトバンクが出資するスマートフォン決済のサービス会社、PayPay(ペイペイ)の「100億円あげちゃうキャンペーン」は12月4日に開始してから10日間で終了をむかえました。社会現象ともなったこのキャンペーン。

大型家電量販店が話題の中心でしたが、エイチ・アイ・エス(H.I.S)がペイペイでの支払いに対応したこともあり、旅行好きにとっても見逃せないものとなりました。

折しもH.I.Sは年末年始恒例の初夢フェアを実施中。これは安いものをゲットできるのではと考えた人も少なくないと思います。しかしペイペイでの支払いは店頭での支払いが必須。初夢フェアのうち、格安のもののほとんどはウェブ限定という問題がありました。

そこで筆者が狙ったのは正規割引運賃の航空券。H.I.Sの店頭で購入すると手配手数料が10,800円もかかるので通常であれば絶対に購入しないのですが総額17万円以上する東京発ヨハネスブルグ行きのカンタス航空の航空券を購入したので、総額で36,000円ほどキャッシュバック。手数料を差し引いても25,000円以上安く買えた計算となります。

PayPayではすでに新たなキャンペーンの実施を予告しています。内容は未定ですが、いまからH.I.Sで購入する商品を探しておくのもよいと思います。ちなみに海外のホテルも2,160円の手数料で手配可能なので、これも高額のホテルなら検討する価値があります。

それにしても、航空券を購入しに国内の旅行会社のカウンターに行ったのは10年ぶりくらいでしょうか。一昔前であれば当たり前だったことなのに不思議な感覚を持ちました。

エクスペディア90%オフ

ペイペイ祭りが展開されていた12月13日、エクスペディアでもプチ祭りが展開されました。エクスペディアのアプリ経由のホテル予約にかぎり、90%オフのクーポンコードが利用できるというもの。

なお、90%オフとなったのはホテル代の本体部分でサービス料の部分は割引にはなりません。当初の予想どおり、1時間もしないうちに利用できなくなりました。しかし、20%引きのクーポンについては翌日の時点でもまだ利用できていました。このキャンペーンでの最大の割引額は56,800円。

マリオットやハイアットをはじめとするチェーン系で利用できないところは多いもの、それ以外の多くのホテルがすべて対象になるとあり、利用価値は非常に高かったといえます。また同様のキャンペーンが実施されるかわかりませんが、エクスペディアのクーポン対象外のリストは原則的にどのキャンペーンでも変わらないので事前にチェックして準備しておくと完璧でしょう。

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情報提供元:Traicy
記事名:「あなたはいくつ知ってた? 2018年マイラー10大ニュースを振り返る【橋賀秀紀のフカボリ!】