サマータイム(夏時間)の施行中は、日本と欧州や北米の時差が1時間縮まる。

こんにちは、旅行ライターときどきジャーナリストのさかいもとみです。3月も下旬となり、日本から桜の便りも聞こえて来ましたが、東京もロンドンも異常気象で雪が降ったりと奇妙な気がします。

さて、欧州では毎年、3月下旬に「サマータイム(夏時間)」が始まります。しかし、日本にない習慣ですから、ピンと来ない人も多いことでしょう。この夏時間の制度、欧米そしてオーストラリアなど各国で行われています。緯度が高い国では、夏場の日照時間が長いので、「朝早めに仕事を始め、夕方に余暇活動がより長くできるようにしよう。」と導入されているものです。

開始と終了時期はいつ?

夏時間の施行を知らずに空港に駆け込むことだけはないように…(筆者撮影)

欧米で主に行われているこの夏時間の制度について説明しましょう。北半球でも北米(米国・カナダ)と欧州ではスタート時期が異なります。北米では3月の2回目の日曜に始まり、11月の1回目の日曜に終了します。欧州では3月の最終日曜に始まり、10月の最終日曜に終了します。

いずれも早朝に調整が行われますので、「夏時間になる日曜の前の晩」には「時計を1時間進めて寝る」(夏時間終了日の秋には、逆に戻して寝る)ということが習慣となっています。ちなみに、南半球のオーストラリアでは、当然ながら北半球と季節が逆ですが、同じような形で、日本では冬の間、夏時間の制度があります。

デジタル機器はどう動く?

では、スマホやパソコンは夏時間について、どのように対応しているのでしょうか。結論から言うと話は簡単で「勝手にその時間になると機械が補正する」ようになっています。

例えば、欧州で夏時間に変更される正式なタイミングは、「UTC(協定世界時)の午前1時」と定められています。その時間にスマホを眺めていると、0時59分59秒の後、1時になるはずの短針がいきなりグイーンと2時まで飛びます(イギリスの場合)。

参考までに、欧州圏内各国間の時差は常に同じで、例えば英国と欧州大陸(中央ヨーロッパ時間)との間には、常に1時間の時差があります。ただし、夏時間をやっていない日本との時差はそれぞれ1時間ずつ短くなります。

例えばイギリス・ポルトガルでは平常時の時差は9時間ですが、夏時間施行時は8時間、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの欧州主要国では平常時の時差は8時間ですが、夏時間施行時は7時間となります。

どんな形で運用されるのか?

列車は夏時間施行の有無にかかわらず時刻表の表示に沿って運転される(筆者撮影)

では、国をまたがって飛ぶ飛行機はどのように時間を調整しているのでしょうか?

実は、世界の航空ダイヤは「欧州の夏時間の変更日と同じタイミング」で切り替わります。つまり、夏ダイヤは夏時間の施行中、冬ダイヤはそれ以外の間にそれぞれ使われます。ですから、夏時間の補正プラス季節で変化する飛行時間の調整などが全部加味された状態でスケジュールが発表されることとなっています。

したがって利用客は、夏時間の施行の有無にかかわらず、券面やスケジュール表に記載されている時刻に合わせて、今いる自分の場所で使われている時間を使って行動すれば良いというわけです。

ちなみに、夏時間変更当日の寝台列車や夜行バス、一部のフライトはふだんのスケジュールより見かけ上1時間延着します(時計だけ1時間先に進んでいるため)。そういったタイミングに交通機関を乗り継ぐ人は細かい計算が必要になるかもしれません。

「寝坊」は回避できる?

ロンドン・ヒースロー空港の出発案内板。夏時間の調整は全て終わった形で表示される(筆者撮影)

これまで述べたように夏時間への対応は、「変更前日の夜に時計を1時間進める」というものですが、怖いのは「進めるのを忘れて寝坊する」というトラブルです。

普段からスマホを目覚まし時計代わりに使っている人は、時計が変わるのと同時にアラーム機能も補正されますから、本来の起きたい時間に目覚ましが鳴り、寝坊は生じないでしょう(「なんとなく睡眠時間が足らないかなぁ」と気がつかないまま動き出す人もいるでしょうが……)。しかし、腕時計や目覚まし時計を使って旅する人は注意が必要です。

慣れない夏時間の仕組みと対応について、概ね理解できましたか?くれぐれも乗り物の出発時刻やツアーの集合時間に遅れない人が出ないことを祈るばかりです。

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情報提供元:Traicy
記事名:「不慣れな人には厄介モノの「サマータイム」、交通機関の発着時間はどのように変わるの?【さかいもとみの旅力養成講座】