東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝は、IoT機器向けにSingle-Inductor Multiple-Output型オンチップDC-DCコンバータ(以下、SIMO型DC-DCコンバータ)を開発しました。本SIMO型DC-DCコンバータは、従来のSIMO型DC-DCコンバータより100倍以上広い1μW~50mWの負荷範囲で、65~86%という実用的な変換効率を実現し、コイン型リチウム電池駆動のIoT機器の電池寿命を改善します。本成果について、富山県で開催されたIEEE主催の半導体回路技術に関する国際会議「A-SSCC 2016(Asian Solid-State Circuits Conference 2016)」で、11月9日に発表しました。



IoT時代の幕開けにより、コイン型リチウム電池などで駆動するIoT機器では、IC内の各回路ブロックの動作電圧をそれぞれ必要最小限まで低電圧化した低消費電力のICが求められています。各回路ブロックへ異なる電源電圧を供給する回路として、従来のDC-DCコンバータは、出力電圧の種類と同数のインダクタが必要であったのに対し、SIMO型と呼ばれる多出力電圧のDC-DCコンバータは、一つのインダクタで複数の出力電圧を生成でき、機器の小型化やコスト低減につながるため注目されています。

一般的に、IoT機器は、大部分を1mW以下のスタンバイモードで待機し、短期間だけ数十mWのアクティブモードで動作をするため、SIMO型DC-DCコンバータには広い負荷電力範囲で高い変換効率が求められます。従来のSIMO型DC-DCコンバータは、IoT機器向けに開発されていないため、スタンバイモード時に、実用的と言える60%以上の変換効率を維持でき、かつ、アクティブモード時でも80%以上の高変換効率を達成できる、広い負荷電力範囲に対応したものがありませんでした。

当社は、IC内の一部の制御回路を、高感度な電圧比較回路から論理ゲート注1による構成に変更することで消費電力を低減し、さらに複数の負荷に電流を分配するスイッチの動作回数を大幅に削減する当社独自の軽負荷動作モードを採用することで、負荷の消費電力が5μW以上では80%以上、1μWで約65%以上の高い変換効率を有するSIMO型DC-DCコンバータを実現しました。

また、アナログ制御を用いた従来の制御法では、SIMO型DC-DCコンバータの多出力電圧間の干渉を防ぐため、スイッチング待機時間を長くする必要があり、IoT機器のアクティブモード時の変換効率を劣化させていました。今回、デジタル制御を導入し、常にスイッチング待機時間が必要最小限になるようフィードバック制御することで、数十mWの電力供給時に対する変換効率を改善しました。

これらの技術により、従来のSIMO型DC-DCコンバータより100倍以上広い、1μWから50mWまでの広い負荷電力範囲で65~86%という実用的な効率を達成し、コイン型リチウム電池で駆動するIoT機器の電池寿命を改善します。(図1)

本SIMO型DC-DCコンバータは、Bluetooth® low energyなどIoT機器向け低消費電力ICへの搭載を検討しています。

注1.論理演算を行う回路
※Bluetooth®は、Bluetooth SIG, Inc. が所有する登録商標であり、東芝はライセンスに基づき使用しています。


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情報提供元:
記事名:「東芝:高変換効率を広負荷電力範囲で実現したIoT機器向け多出力DC-DCコンバータを開発